山と森をめぐる水
森林サービス分野

気候変動下でアジア域の水や物質循環が大きく変化しています。雨や雪が多い日本では、山地斜面土壌や山体内部の水の移動、化学風化により山地災害が起こりやすくなる可能性があります。目に見えない山体内部の水の移動を理解します。

森林環境保全学研究室
瀧澤 英紀(教授)(Researchmap)

専門分野】
森林資源を守り、保全するために「水環境」を基盤として森林環境の変化を研究しています。
キーワード:土壌・植物・大気系のエネルギー・水・CO2 循環, 熱帯林・温帯林の水循環比較研究

【主な担当科目】
森林圏基礎科学

【研究内容の紹介】

〜研究テーマ①〜
多雪地帯における森林の水文動態と水質形成

・豪雪地帯の森林は、雪解け水がゆっくりと地中に浸透し、豊かな水資源を育む重要な役割を担っています。当研究室では、特に利根川源流域の多雪森林をフィールドとし、降水、積雪、土壌水分、地下水、河川水といった水の流れを詳細に観測・解析することで、森林流域における水循環メカニズムの解明に取り組んでいます。近年では、溶存物質の流出特性や、沈着量と流出負荷量の関係に着目し、気候変動や森林管理が水質に与える影響評価にも力を入れています。
・この研究を通して、私たちは森林の保水機能や水質浄化機能を最大限に引き出し、持続可能な水資源管理に貢献することを目指しています。未来の世代に豊かな水資源を引き継ぐために、共に研究しませんか?

〜研究テーマ②〜
冷温帯落葉広葉樹林の生態機能と炭素循環

・ブナ林を代表とする冷温帯落葉広葉樹林は、日本の森林生態系において重要な位置を占めています。当研究室では、これらの森林における光合成、呼吸、蒸散といった生理生態学的プロセスを詳細に解析することで、森林の炭素吸収・固定能力の評価に取り組んでいます。特に、気象条件や地形条件がCO2フラックスに与える影響や、葉面積指数の時空間変動に着目し、地球温暖化に対する森林の緩和効果を定量的に評価することを目指しています。
・この研究を通して、私たちは森林の持つ温暖化緩和機能を最大限に引き出し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。地球温暖化という喫緊の課題に共に立ち向かい、森林の力を解き放ちませんか?

〜研究テーマ③〜
森林の保全機能と持続的利用

【植物と微生物の千年契約を解読せよ】
・森林は、木材生産だけでなく、土砂災害の防止、生物多様性の保全、景観の維持など、多様な機能を持っています。当研究室では、森林の持つ表層崩壊防止機能や、土壌硬度が樹木の根系成長に与える影響に着目し、森林の保全機能を評価する研究を行っています。また、堰堤建設が渓流の環境変化に与える影響を評価するなど、森林と人間活動の調和を模索する研究も行っています。
・この研究を通して、私たちは森林の多面的な機能を最大限に活用し、持続可能な森林管理のあり方を提案することを目指しています。森林と共生する社会を築き、未来に希望をつなぎませんか?


これらの研究を進めることで、私たちは環境を守りつつ、農業の効率化や社会基盤の安全性を高め、持続可能な未来を築いていくことができます。
私たちの研究は、人々の生活の質の向上や災害への備えに直接的に寄与し、より良い社会を実現するための基盤となるのです。